森本 貴幸
Takayuki Morimoto

日本代表経験を持つFW。2008年北京五輪、2010年W杯、日本代表メンバー。

まだ中学生だった2004年3月13日、ジュビロ磐田戦でJリーグ史上最年少デビュー（15歳10ヶ月6日）を飾った怪物ストライカー。その試合で当時の日本代表であった福西崇史をドリブルで翻弄する姿にサッカーファンは度肝を抜かれた。2004シーズンは結局最終的に4ゴールを挙げ、Jリーグ最優秀新人賞を獲得。その後は所属する東京ヴェルディの低迷もあり1年目ほどは輝きを見せられず、2006年7月にカターニアへ1年間のレンタル移籍をすることになった。

カターニア移籍後は、プリマヴェーラからのスタートとなり、シーズン前半戦は出場機会に恵まれず。だが、2007年1月19日に行われたセリエA第21節のアタランタ戦でデビューすると、いきなりゴールをマークし衝撃を与えた。2007年3月に左膝前十字靭帯を断裂し残りのシーズンを棒に振ったものの、能力と将来性を評価され、同年6月に完全移籍が決まった。指揮官がゼンガに代わってからは信頼を勝ち取り08/09シーズンはローマやユヴェントスといった強豪を相手に奪ったゴールや、パレルモとのシチリアダービーでのゴールを含めシーズン7ゴールの活躍を見せ、自らのパフォーマンスによって、チームでのポジションを確立していった。

09/10シーズンに入っても、開幕戦でゴールを挙げるなど好調を維持していたが、シーズン半ば頃には調子を落とし、冬のメルカートでマキシ・ロペスが加入してからはポジションを奪われてしまう。翌10/11シーズンもその流れを引きずってしまい、マキシ・ロペスの牙城を崩せない森本は、開幕から殆ど試合に出場できない日々が続く。2010年10月5日のユヴェントス戦でようやくシーズン初ゴールを挙げ、徐々に調子を取り戻してきたかと思われたが、続く16節のカリアリ戦で相手DFアリアウドに対する報復行為で一発退場を受け自らの愚行により、良い流れを断ち切ってしまった。

代表での活躍ではユース年代に、2005年のU-20ワールドユース、2008年の北京五輪に出場。カターニア移籍後は周囲からA代表入りを望む声も挙がったが、しばらくはクラブでのポジション確保を優先するためと消極的な姿勢を見せていた。しかし2009年10月10日に行われたスコットランドとの親善試合でようやくA代表デビューを果たし、その後はコンスタントに代表へ参加を続け、2010年W杯の日本代表23名にも名を連ねたが、出場機会は与えられなかった。

デビュー当時は、ロナウドと比較されるなど1人で突破しゴールまであげられる選手という印象があったが、イタリア移籍後は守備や運動量はほどほどに、DFラインの裏への抜け出しを第一に考えたプレースタイルへとチェンジしていった。しかし、サイドへ開いてのドリブルやクロスも下手になったわけではなくアシスト能力もある。課題としては、試合に1-2回しかチャンスがないイタリアでの試合ではそのチャンス時のトラップやシュートがうまくいないことが多い点だが、これが仮に出来るようになれば世界でも有数のストライカーへと羽ばたくだろう。

UAEのアル・ナスルへのレンタルも経験後、2013年8月にJ2ジェフ千葉へ完全移籍。25歳になって7年ぶりの日本復帰に「J1復帰に向けて力になりたい」と意気込みを語っていた。

ジェフ1年目はプレーにキレを欠き期待されたような活躍を見せられなかったが、2年目はケンペスをおしのけてエースに君臨。シーズン二桁得点を記録した。