アンドレア・ピルロ
Andrea Pirlo

U-21イタリア代表のエースとして活躍し、“第二のロベルト・バッジョ"、“ジャンニ・リヴェラの再来"などと呼ばれる。トップチームデビュー直後から周囲はその熱い眼差しを送り始めたが、真に覚醒したのはそれから数年後のことであった。

ミラン移籍後、自分の居場所に悩んでいたピルロは、「自分を守備的ＭＦとして起用できないか。」とアンチェロッティに提案。そのアイデアに共感した指揮官は、トレクアルティスタのルイ・コスタを共存する形で中盤の底にピルロを起用。すると、このシステムが見事に当たり、DFラインの前からゲームを作る “レジスタ“という職を開拓。「先人達の後継者ではないピルロ」が誕生したのだ。

年々そのプレーの質は高まり、ボールキープ力、展開力、プレースキック、ラストパスのセンス等を含めた総合力は、同ポジションでは間違いなく世界で3本の指に入ると言われるまでになる。ピルロがレジスタを務めるようになって以降、ミランはチャンピオンズリーグ、スクデット、コッパ・イタリア、クラブワールドカップなど数多くのタイトルを獲得している。ミランでの晩年は、怪我や起用法の問題で満足な結果を残せなかったが、11/12シーズンに加入したユヴェントスで再び輝きを放つようになる。ビダル、マルキージオを両脇に従え、持ち前のゲームメイクを見せるピルロの活躍により、ユヴェントスのサッカーは国内で最も魅力的なものへ変貌を遂げ、無敗でのスクデット獲得を成し遂げた。

さらにピルロはアッズーリでも2006年に世界チャンピオンに輝いている。2008年欧州選手権頃からは運動量が飛躍的に上昇し、代表、クラブでも屈指の走行距離を誇り、後ろからゲームを作るだけではなく、自ら持ち上がってタメを作る等、新たな一面を見せつつあり、まだまだ進化は止むことがない。

ちなみに、21番を好んで付けるが、これはブレッシャ時代から愛着のある背番号で、彼にとっては縁の深い番号でもある。本人曰く、妻と結婚した日、父の誕生日、イタリアで晩年を過ごした番地も21とのこと。

趣味はワイン作り。かつて自伝のなかで、プレッシャーは感じないと述べ、2006年のW杯前夜でさえたっぷり寝てプレイステーションで遊んだという。

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