アルベルト・アクイラーニ
Alberto Aquilani

非凡なボールスキルを兼備するエレガントなテクニシャン。

ボールキープ力とパスセンスに優れ、時に強烈なミドルシュートを放つなど、攻撃面で見せる才能は多彩。トレクアルティスタ、インクルソーレ、レジスタと様々な役割をこなすユーティリティな一面も見せる。

ローマ・プリマヴェーラ時代から将来を嘱望され、2003年にはU-19欧州選手権で優勝するなど世代別代表でも活躍した。ローマのトップチーム昇格後は、随所でその能力の高さを見せ、デ・ロッシと共にローマの将来を担うと期待される。しかし如何せん怪我が多く、シーズンを通してプレーすることが出来ず、実力以外の要素で苦しみ伸び悩む時期を過ごした。

09/10シーズンにはプレミアリーグのリヴァプールへ移籍。レアル・マドリーへ移ったチャビ・アロンソの後釜として期待されて加入し、チャンピオンズリーグや国内リーグでまずまずのパフォーマンスを見せたが、ここでもやはり怪我を負ってしまい、実力を出し切るまでには至らなかった。

翌10/11シーズンは母国へ復帰する。古巣ローマではなくユヴェントスでのプレーとなったが、これがきっかけにアクイラーニは輝きを放つようになる。中盤でゲームメイク出来る人材を探していたユヴェントスは、その役割をアクイラーニに託し、ディフェンス面での負担は、その横に構えるフェリペ・メロに任せた。この二人の相性が思いのほか良く、単調だったユヴェントスの中盤は創造性を手に入れることに成功した。このシーズン、アクイラーニ不在時には、引いた相手を崩せずに苦しんだことからも、その重要度の高さは明らかだった。2010年11月には、それまで2年ほど離れていたアッズーリにも復帰。懸念材料だったコンディショニングも細かい怪我こそあれ長期の離脱はせず、10/11シーズンは飛躍のシーズンとなった。

ユヴェントスへはレンタルでの移籍だったため、ユヴェントスがシーズン終了後に1600万€と言われる移籍金を、リヴァプールへ支払えるかどうかに注目が集まったが、結局ユヴェントスはアクイラーニを買取ること無く、その後もレンタル生活が続いた。