アレッシオ・チェルチ
Alessio Cerci

ローマ・プリマヴェーラが輩出したアグレッシブなアタッカーで、スピードに乗ったドリブルで相手守備網を切り裂く。左右どちらのサイドでも力を発揮できるが、最も好むのは利き足と逆の右サイド。ユース年代の代表で活躍し、当時16歳にしてセリエAデビューを果たすなど早い時期から期待を集めた。

クラブレベルではひとりよがりなプレーが目立ち、なかなか結果を出せない時期が続いたが、10/11シーズンにミハイロヴィッチ監督政権下のフィオレンティーナで信頼を勝ち取り3トップの右ウインガーを任され頭角を現す。プレースキッカーとしてのチャンスメイクを含め、周囲との連係プレーも徐々向上した。

10/11シーズンにトリノへ移籍してからは、セリエBピサ時代の恩師ヴェントゥーラ監督のもと1年目は4-2-4の右ウイング、2年目の今季は2トップの一角として活躍。プレーの幅を広げるとともに得点力も身に着け、プロヴィンチャでは圧倒的な存在感を放つ選手となった。

13/14シーズンは、得点王に輝いたインモービレとの2トップで旋風を巻き起こし、トリノをEL出場権を争うまでに引き上げたが、最終節となった敵地でのフィオレンティーナ戦、ロスタイムの94分にトリノが得たPKを蹴るも、相手GKロザーティに阻まれ失敗。これにより勝利を逃し、トリノは14/15シーズンのEL出場権を逃した。この時の指揮官ヴェントゥーラは、「バッジョやバレージが泣いたのを見てきた。PKを失敗しないのは蹴らない者だけ。PKはミスもあるものだ」と13シーズン11アシストをマークしたチェルチのこのシーズンの活躍を称え、PK失敗を擁護した。

トリノでの活躍が認められ、2013年3月にプランデッリのアッズーリに初選出を受けると、以降もアッズーリの常連となりビッグクラブからも注目を集める存在になっている。なお、アッズリーニ時代、当時U-21代表の主力として活躍していたが、北京五輪は負傷のため惜しくもメンバーから漏れるという悔しい思いをしている。