ペトル・チェフ
Petr Čech

プレミアリーグの連続無失点記録（1025分）を持つチェコの偉丈夫。

ゴールキーパーに必要な全ての能力を備えており、なかでも特筆すべきはポジショニングとキャッチングの安定感。どんな試合展開でも常に集中を切らさず、確実なボール処理でチームに勢いを与える。

また、非常に研究熱心で、チェルシーでは試合が終わるとすぐにレンヌ時代から師弟コンビであるクリストフ・ロリションと自身のプレーを分析。試合中にも相手のプレースタイルや癖を読み取り、鋭い観察眼を活かしたクレバーなプレーを見せる。世界最高峰の座にたどり着いてもなお、プレー向上の研究に余念がない。

2002年にU21欧州選手権で優勝し、レンヌに移籍。ここで評価を高めると、ラニエリ監督（当時）の希望でチェルシーが獲得する。チェフがイングランドに到着した時には監督がジョゼ・モウリーニョに代わっていたが、チェフはすぐに“スペシャル・ワン”のお気に入りとなった。ベストイレブンの経験もあった名GKクディチーニを差し置いてレギュラーに定着すると、1年目から最多試合/連続時間と2つの無失点記録を更新する活躍でリーグ優勝に貢献した。

その後、3度欧州最優秀GKに選ばれ、ブッフォン、カシージャスに次ぐ世界最高峰のGKの仲間入りを果たすなど順風満帆のキャリアを送るが、2006年10月にハント（レディング）との接触で頭がい骨を骨折。それ以来ヘッドギアがトレードマークとなるが、この頃から徐々にパフォーマンスが低下。EURO2008では珍しく致命的なミスを犯してしまうだけではなく、クラブレベルもリーグ戦でもらしからぬミスを連発。一時は評判を落としたが、10/11シーズンに復活。11/12シーズンには特にチャンピオンズリーグで大活躍し、決勝戦では延長戦でアリエン・ロッベンを、PK戦ではイヴィツァ・オリッチとバスティアン・シュタイガーのキックをどれも止め、チームを欧州王者に導く大車輪のパフォーマンスを披露した。

ちなみに、17歳の時と29歳の時に知能指数140というテスト結果を叩き出しているが、この数値は全人口の3%しか存在しない。