ヴォイツェフ・シュチェスニ
Wojciech Tomasz Szczęsny

ドゥデク、ボルツ、クシュチャク、ファビアニスキら優秀なゴールキーパーを世に送り出し続ける、“守護神の名産国”ポーランドが生んだ最新作。

フィードキック、足元の技術には不安があるが、その立ち振る舞いをアーセン・ヴェンゲルが「まるでペーター・シュマイケルのようだ」と称したように、ダイナミックなセービングやレスポンスの良さはピカイチ。状況判断の正確性やハイボール処理の巧さも評価に値する。

レギア・ワルシャワ等で活躍していたユース時代にアーセナルとプロ契約を結び、ヴェンゲルも「彼はゴールキーパーに求めたい全ての資質を備えている。いずれ、アーセナルのNo.1ゴールキーパーになるだろう」と高評価を与えていたが、アルムニアや同邦のファビアニスキ、さらには有望なイタリア人マンノーネらがひしめく場所では、出場機会を得るには至らず、実践経験を積むために、09/10シーズン途中にブレントフォードへローンで加入。ブレントフォードでは最初の13試合を10失点で切り抜ける活躍を見せ、降格圏をさまよっていたチームを安全圏まで引き上げた。

「ファンから『まあまあ』なんて評価はされたくない。最高のGKだと言って愛してくれるか、最低だと言って嫌われるかのどっちかがいいね」と語る自信家であり、精神的にも強く、プレミアリーグデビュー戦となった10/11シーズンのマンチェスター・ユナイテッド戦では初陣とは思えぬ堂々たるパフォーマンスを披露。試合には負けたが、ルーニーのPKミスを呼び込むなどアーセナル・サポーターに強烈な印象を植え付けた。

ちなみに、「Szczęsny」という名前は、日本のマスメディアではその表記がバラつくことが多いが、「ę」の部分はいわゆる鼻母音のため、シュチャンスニ（シュチェンスニ）が最もポーランド語の発音に近い形となる。

また、レーマンがアーセナルに復帰した際、レーマンからも色々と勉強していたようで「レーマンの教え方は分かりやすい」と話した。11/12シーズンからはレーマンの着けていた背番号13を受け継いだ。