エマニュエル・アデバヨール
Sheyi Emmanuel Adébayor

190cmを超える長身ながら足元へのボールを好み、長い足と柔軟なボールスキルを活かしたトリッキーなドリブルを見せるトーゴのエースストライカー。

恵まれた身体能力は抜群のボディバランスやキープ力を実現させるだけではなく、「今まで一緒にプレーした中で最もスピーディーな選手。練習でロナウドとスピードを勝負した際もアデバヨールが勝っていたよ」とレアル・マドリー時代のチームメイトであるカリム・ベンゼマが語るようにストライドの大きさを活かしたスピードも驚異の一言。プレー精度の欠如やシーズン通して活躍できない不安定ささえなければ、世界でもトップクラスのストライカーになり得る能力を持っている。

モナコで才能を発揮し始め、2005/06の冬の移籍市場でアーセナルに加入。最初の2シーズンは面白いプレーを見せながらも得点に結びつかなかったが、2007/08にブレイクし公式戦49試合30得点の大活躍。アーセナルのパスサッカーを支え、必要不可欠なエースストライカーへと飛躍した。この急進的な成長にACミラン、バルセロナら名門クラブが獲得に本気で動き始め、それにアデバヨルも呼応。「おれを移籍させてくれ！」とクラブへ懇願した。しかし、これに黙っていられなかったのがサポーター達であった。「あいつはアーセナルを捨てる気だ！」と心頭怒に発した彼らとアデバヨルの関係はみるみるうちに冷えていき、08/09シーズンはファンから拍手を浴びることのないシーズンを送ることに。その翌シーズン、念願叶ってチームを退団し、マンチェスター・シティーに移籍。序盤戦に行われた古巣との直接対決では自らもゴールを記録し、4-2の圧勝劇を演出するパフォーマンスを見せた。

しかし、その試合中にファン・ペルシーを踏みつけたり、セスクに激しい削りを見舞わせ、さらにはゴール後にアーセナル・サポーター側にダイブして挑発。FAから出場停止を受けるなど、後味の悪い結末を迎えることとなった。

代表ではほぼ1試合に1点の驚異的なペースで得点を量産。チームをW杯（2006年ドイツ）初出場にも導いている。