クマ・ババカル
Khouma El Hadji Babacar

大爆発の好機を窺わせる、セネガル産まれイタリア育ちの“アフリカン・ワンダーキッド”。

恵まれた体格を活かしたダイナミックなプレーが特長で、ポストワークも巧みだが、フリースペースでボールを受け取ってそこからドリブルを仕掛けるプレーを好み、ヴィオラの下部組織時代には「新たなディディエ・ドログバ」、「ヴィオラのマリオ・バロテッリ」との異名を授かった。

ヨーロピアン・フットボール大学の創始者、フランコ・ロンダニーニに見出された才能は同門を叩き、それから1年半後にイタリアのフエルテヴェントゥーラ・アカデミーに加入。この頃から「超新星現る」という噂が徐々に広まり、バルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリー等、欧州に名だたるビッグクラブが注目するようになるが、どこよりも早く、接触を図っていたフィオレンティーナの意欲に惹かれ、同下部組織へ移籍を果たす。

本来であれば、同チームに数年間在籍した後、10代後半からトップチームを視野に入れるのが一般的であるが、入団からわずか4ヶ月後にはプランデッリのお眼鏡にかない、トップチームの練習に参加。自身の憧れでもある、ディディエ・ドログバを彷彿とさせる、パワフルなプレースタイルはイタリア代表経験者であるダイネッリやガンベリーニ相手に対等に渡り合い、周囲の度肝を抜く才能の高さを披露。当然、4、5歳上の選手が主軸となるプリマヴェーラでは向かうところ敵なしの状態で、その余りにも抜きんでた能力は、彼一人で勝敗を決めるほどのレベルに達するほどであった。

09/10シーズン開幕前、「もう迷う必要はない」と判断したプランデッリは16歳の少年をトップチームへ本格的に昇格させ、先発起用されたコッパ・イタリア、対キエーヴォ戦ではゴールも飾るなど活躍。同シーズンの3月に行われたジェノア戦ではセリエAでのデビュー弾も記録した。なお、11/12シーズンの開幕前に、安定した出場機会が見込まれるバーリからのレンタル移籍の話を受けているが、それを拒否し、フィオレンティーナで戦うことを決断している。