土屋 征夫
Yukio Tsuchiya

迫力十分のスキンヘッドと対人戦で圧倒的な強さを誇るストッパー。身体能力が非常に高く、特に跳躍力は30代半ばを過ぎてもJリーグ屈指のレベル。見た目通りのファイタータイプで試合中に熱くなり過ぎ自滅することもあったが、ベテラン期に入って自分をコントロールできるようになった。

都立の田無工業高では厳しい上下関係を嫌い、1週間で退部。卒業まで書道部で過ごし（活動するのが年に1日だったため）、サッカーはほとんどしなかった。

高校卒業後、ブラジルへサッカー留学。当初は2年で帰国する予定だったが、「大学へ行ったと思って4年続けてみなさい」と親に言われ、4年間サッカー漬けの日々を送った。しかし、サッカーへの執着はそれほどなく、1997年に練習参加のオファーが来たヴェルディに入団できなければサッカーをやめるつもりだったと言う。ちなみに、1993年にブラジルへと渡ったため、Jリーグブームは体験していない。

1997年にヴェルディへ入団。2年後にヴィッセル神戸へ移籍すると、サイドバックからセンターバックへコンバートされブレイク。特にシジクレイ、北本久仁衛と組んだスキンヘッドの3バックは、当時のトルシエ・ジャパンに因み「ピカッとスリー」と呼ばれ親しまれた。

柏レイソル、大宮アルディージャを経て、2007年にヴェルディへ復帰。年齢とともに身体能力が衰え、集中力を欠く場面もやや目立ってきたが、相変わらず中心選手として活躍。そのプレーが評価され、2013年、J1へ復帰したヴァンフォーレ甲府へ移籍した。

愛称の「バウル」はブラジル時代に住んでいた街の名前。ヴェルディ時代のチームメイトであるマグロンによって付けられ、思いのほか定着。