齋藤 学
Manabu Saito

長谷川アーリアジャスールがトップに昇格後、横浜FMユースの10番を継承し、U-17ワールドカップなどで活躍した小柄なドリブラー。

2008年に（2種登録で）横浜F・マリノスのトップチームに引き上げられた当初は、「積極果敢なドリブル突破」を最大の武器とし、狭いスペースをすり抜けられる技術と敏捷性で活躍。だが、2011シーズンにローンで移籍した愛媛FCではゴールを奪う能力が飛躍的に向上し、単にドリブルでチャンスメイクを行うのではなく、「常にゴールに向かうプレー」を心がけたアタッカーへと変身した。

愛媛時代の覚醒から名付けられた愛称は、“エヒメッシ”。また、“和製メッシ”や”カモメッシ”などの愛称もあるが、いずれにしてもリオネル・メッシと比較したものが目立つ。

2012年シーズンからは横浜F・マリノスへと復帰し、同年にはロンドン五輪日本代表にも選出。関塚隆監督からも高い評価を受け、ジョーカーとしてチームの4位に貢献した。

翌シーズンには横浜FMでレギュラーをつかみ、開幕直後から先発の機会を得る。このシーズンのハイライトは第16節の大宮戦。首位攻防となったこの試合、齋藤は相手選手4人を置き去りにする見事なゴールを奪い“和製メッシ”たる所以を見せつけた。

7月に行われた東アジアカップではフル代表デビューも飾り、オーストラリア戦では得意な切れ込みから相手選手を何人も引きつけ、見事な形で代表初ゴールを記録した。

ちなみに、上述した大宮戦の試合後のインタビューで、スタジアムDJから「メッシだよね」と問われた際「愛媛の」と答え、「愛媛のじゃないよ！マリノスのよ！」と続けられた際には再び「愛媛の！」と強調するやりとりがあった。齋藤自身の愛媛へ思いの強さが伝わってくるシーンであった。