宇佐美 貴史
Takashi Usami

ガンバユース史上最高傑作であり、プラチナ世代の筆頭株。

10台前半にして「同年代のレベルに合わしては、彼の能力が伸びない」ということで、飛び級で上の年代のユースに所属する等、異例中の異例を経験させたほど、その能力はずば抜けていた。

ドリブルスピード、ボールテクニック、キックバリエーション、キック精度、どれを取っても規格外のものを備えているが、何よりも魅力的な特徴は積極果敢なアタックに挑戦するマインド。日本人選手というのは、良くも悪くも周囲を意識したプレー選択が多いが、彼の能力と姿勢には「周りがおれに合わせろ」と言わんばかりのインパクトがあり、2011シーズンの初頭にはそのプレーに迷いが見られたがゴールを記録したことで復活。日進月歩の勢いで成長を遂げている。

なお、「ガンバTV」で語っていた本人の将来計画では19歳で結婚、A代表となっていたが、2011年4月には幼馴染でキャスターの田井中蘭と婚約を発表、そして、同年6月のキリンカップで日本代表初招集を経験している。

出来るだけ素足に近い感覚を求めるなど、スパイクに対する拘りは相当なもの。また、派手なカラーリングのものを好むそうだが、それはルックアップした状態でも足元を確認しやすくするためだとか。

バイエルンでは出場機会がなかなか巡ってこなかったが、「楽しかったとは言えないけど、行って良かったと思ってる」と振り返る。中でもフランク・リべりから受けた影響は大きく、「おまえは技術もあるし才能もあるけれど、メンタルがダメ過ぎる」と率直に告げられたことを『ガンバTV』で明かしている。

また、以前は練習後にクラブハウスでシャワーを浴びなかったそうだ。というのも宇佐美は自宅に帰ってゆっくり風呂に入るのが好んでいたのだが、バイエルンのチームメイトは「タカシは男の前で風呂に入るのが恥ずかしいのか？」と噂をし始めたという。すると、チームキャプテンだったフィリップ・ラームがやって来て宇佐美に「恥ずかしいなら言ってくれ。対応するから」と話してきたのだという。結果宇佐美は「おれラームになんてこと言わせてんねやろ」と思い直し、クラブハウスでシャワーを浴びるようになったのだとか。

自身のプレースタイルとは対照的に、お気に入りの選手はドイツ代表MFトーニ・クロース。2013年、ガンバ大阪に復帰した際には背番号39を選んでおり、その理由を「ラッキーナンバーが3で33を狙っていたが、空きがなくて39にした」と話していたが、数年後TV番組の中で「クロースの番号（39番）を真似させてもらいました」と半ば冗談気味に話していた。

初めて立ったのは生後8ヵ月の時。その直後、父親は宇佐美に向かってゴムボールをワンバウンドで投げたのだが、立ち始めたばかりの宇佐美はこれを蹴り返した。この時父親は息子の才能にハッとなったという。