柏木 陽介
Yosuke Kashiwagi

ペトロヴィッチサッカーの申し子で、閃きと圧倒的な運動量を兼備した “走るファンタジスタ”。

サンフレッチェ広島のユース出身で、2006年にトップチームへ昇格すると、若手を積極的に登用するミハイロ・ペトロヴィッチ監督からその才能を見出され、即座にレギュラーポジションを獲得。同年に行われたアジアユースでは3得点を挙げて準優勝に貢献している。

槙野、安田理らを擁し2007年U-20W杯に出場した“調子乗り世代”の一員で、広島時代は槙野、森脇と3人でムードメイカーとしても活躍。2010年に加入した浦和レッズでもその底抜けに明るい性格ですぐにチームに馴染んだ。シンプルで堅実的なプレーと時折見せる意外性でレッズの攻撃にエッセンスを加え、2013シーズンには11アシストでJ1アシスト王に輝いている。

彼は高いテクニックと閃きに富んだ左利きの攻撃的MFだが、その神髄は何といっても超人的な運動量にある。身体能力は平均的でチャンスに絡む数の割に得点が少なく、一撃必殺の得意技を持つタイプでもない。しかし、絶えずスペースに動きボールを受ける・出すを繰り返しながら少しずつ相手にボディブローを与え、そのなかで違いを生み出していくことができるのである。年齢を重ねるにつれセンターハーフでの起用も増えているが、彼の特徴を考えれば自然なことであろう。

一方で動きを制限されるシステムでは持ち味が半減。代表で輝けないのもそのためで、彼がペトロヴィッチサッカーの申し子と言われる所以でもある。

公私ともに世話になったという田中達也退団の際には、人目をはばからず号泣し、「サポーターから信頼され、浦和のために戦う達也さんのようなプロサッカー選手になりたい」と誓ったとのこと。