ティアゴ・アルカンタラ
Thiago Alcántara do Nascimento

世界最高峰に到達し得る才能を秘める“クラック”。

「チャビとイニエスタを足して半分に割ったようなプレーヤー」とも称されるように、高精度のキックを駆使したゲームメークだけではなく、相手をいなすドリブルで決定機を作り出す才も備えるため、単なるパサーの枠に収まらないのが最大の特長。また、ユース代表ではFKを担当していたように、プレースキックやシュート技術も非凡な上、さらには戦術に忠実な守備技術も備えるなど、ペップ・グルディオラをして「全てを持っているプレーヤー」を言わしめるのも納得できるほど全知全能性を誇る。

父は元ブラジル代表マジーニョ、母はバレーボール選手のヴァレリア・アルカンタラというスポーツ一家の下にイタリアで生まれると、母国のフラメンゴで5歳まで過ごし、その後はスペインへ渡りガリシアのチームでプレー。

そして、2004年にバルセロナの下部組織に入団。入団当初は「技術はあるが、球離れが悪い」が第一印象の選手だったが、コーチが進言した「チャビのプレーを見て勉強しろ」という言葉に従い、プレーを改善するべく猛勉強したという。偉大なる先輩の特長である「ミスの少なさ」、「判断の正確性」は着実に向上し、トップチームに昇格する頃には、チャビ、イニエスタに勝るとも劣らないクオリティーにまで成長。2009年5月のマジョルカ戦で、トップチームデビューを飾ると、2010年2月のラシン・サンタンデール戦でトップチームでの初ゴールを記録。翌年にはA代表にも招集された。

ちなみに、弟のラフィーニャ（ラファ・アルカンタラ）もサッカープレーヤーで、11/12シーズンにはバルセロナBへ入団。実の父が「才能ではティアゴよりラフィーニャのほうが豊か」と評したこともあり、非常に将来が期待されている。

2013年7月、恩師ペップ・グアルディオラ率いるバイエルン・ミュンヘンへと移籍。移籍金はおよそ2500万ユーロであり、同契約により今後3シーズン、バイエルンとバルセロナの間でプレシーズンマッチが行われることも発表されている。ちなみに、移籍金の一部がこの興業収益から支払われる。

13/14シーズンのブンデスリーガ第19節フランクフルト戦にて、同リーグの1試合最多ボールタッチ数を記録した。これまでの記録はバスティアン・シュヴァインシュタイガーが保持していた157回で、ティアゴが記録したのはこれより28多い185回（後にバイエルンは187回と発表）。

またこの試合では159本のパスを通し、1試合におけるパス数でも同リーグの新記録を樹立した。これまでの記録はボルシアMGのロエル・ブロウベルスが記録した137本。

上記の記録は、翌シーズンの9月27日に行われたブンデスリーガ第6節でシャビ・アロンソが2つとも更新している。