サミュエル・エトー
Samuel Eto`o Fils

アフリカ・サッカー史上最高クラスの怪物。2007年10月にスペイン国籍も取得している。

常識を逸脱した瞬発力でディフェンスラインの裏へ抜け出しゴールを決める。特にルーズボールへの反応の速さは他を圧倒しており、並大抵のスピードでは止めることが困難である。また、シュート力も非常に高いものを持っているが不用意にロングシュートを狙うケースはほとんど見られず、CL決勝のようなビッグマッチにも強い。一方で、ヘディングやPKはあまり上手い方ではなく、持ち前の瞬発力を活かしたゴールが圧倒的に多い。

怪我に悩まされていた06/07、07/08シーズンはリーグの半分ほどしか試合に出れられなかったが、それでもほぼ1試合1点のハイペースでゴールを量産するなど、バルセロナ時代のロナウドと比較しても遜色ない怪物ぶりを発揮した。

16歳のときにレアル・マドリーが見出し渡欧。しかし、ログロニェス、エスパニョールへと次々レンタルに出される不遇の日々をすごす。3度目の挑戦となったマジョルカでは、名匠アラゴネスの厳しい指導もあり、徐々に才能を開花させ、2004年にはレアル・マドリーの最大のライバルであるバルセロナに加入する。

バルセロナ加入1年目から獅子奮迅の活躍でリーグ制覇に貢献したが、優勝後のインタビューでマドリーを侮辱する発言をして大きな波紋を呼ぶなど、“問題児ぶり”を露呈。それ以外にも、なにかとピッチ外で問題発言をしでかすことが多い。

マジョルカ時代には途中交代に不満を表したエトーに対し、アラゴネス監督が鬼の形相で胸倉を掴んで怒鳴り散らしていたシーンは強烈で、こればかりは流石のエトーも大人しくなっていた。

しかしながらピッチ外のいざこざの一方でピッチ内では非常に守備意識の高いFWとして有名であり、実に献身的にプレーを披露。インテル移籍後も、当初は独善的なプレーを続けていたが、「君の独りよがりなプレーで負けた。サイドで利他的なプレーをしてくれさえすれば、我々は優勝できるのだが・・・」とモウリーニョに発破をかけられたことで、時には自陣深くまで守備に戻るなど、チームのために働き、リーグ優勝やCL制覇に多大な貢献をしたが、監督がベニテスに代わってからは、自由を許されたことでセンターフォワードとしてゴールに専念するプレイスタイルに戻り、運動量も急激に低下した。

2011年にはロシア・プレミアリーグのアンジ・マハチカラに驚きの移籍を果たす。この時の年俸はなんと2000万ユーロとなり、世界最高給の選手となったが、2013年にクラブは突然予算の縮小を発表。エトーも契約を解除されて放出された。

その後かつての上司でもあるジョゼ・モウリーニョ監督に誘われチェルシーに移籍。若いころのスピードはもう失われていたものの、高い得点力を見せて健在をアピールした。

しかし、このシーズンはエトーに対して年齢詐称疑惑が持ち上がり、このことについてモウリーニョ監督と対立。

モウリーニョ氏が冗談めかして「エトーは35歳かもしれない」と話したことに対して、エトーは激しく反発。「愚か者」「人形」と罵倒し、ゴールを決めた際には老人パフォーマンスを見せて反発した。

それもあってか、チェルシーとの契約は一年で満了となり、更新されず。次のクラブが見つからないまま、2014年ワールドカップに臨むことになった。

公式webサイト：http://samueletoo-officiel.com/