ラファエル・ファン・デル・ファールト
Rafael Ferdinand van der Vaart

プレーメーカーとしての能力はもちろんのこと、ミッドフィルダーからフォワードまであらゆるポジションと役割をソツなくこなすポリバレント制も備える、天才肌のオランダ代表ゲームメイカー。

気性、調子の起伏とも激しく、ケガが多いため、年間30試合出場すら厳しく、さらに、フィジカル面にも強さはないが、密集地でもボールを簡単に失わないキープ力と相手の逆を見事に突くドリブルスキルで攻撃の起点となり、そこから上質で多彩なパスで決定機を創出するプレーは筆舌に値。そのプレーの質は欧州でもトップクラスにランクされる。

また、07/08シーズンのハンブルガーSVでは12得点。10/11シーズンの前半戦では10得点を記録するなど、ゴールに近いエリアで起用された際には得点力も発揮するように、単にチャンスメーカーではなく、セカンドストライカーとしての一面もある。ちなみに、上記の通り、あらゆるポジションをこなす万能性も大きな武器であるが、ユース時代には中盤の低いエリアでプレーしていた時代があったこともあり、アヤックスでは中盤の底での起用を望んだ頃もあり、実際にもアヤックスでの所属最終年度ではこのポジションでプレーしている。

アヤックス・ユースを卒業し、2000年にトップチームへ昇格。コ・アドリアンセによる攻撃的ミッドフィルダーへコンバートが成功したこともあり、徐々に注目を浴びるようになると、度重なる大怪我を乗り越えて「ヤング・アヤックス」の旗手に成長。04/05シーズンには主将を任され、オランダ代表でのデビューも飾った。翌シーズンには、隣国のオランダへ移籍。ハンブルガーSVのCL出場権獲得の原動力となり、06/07年度から主将も任された。07/08シーズンには4-2-3-1のトップ下を担ったことや、イヴィツァ・オリッチというパートナーを得たことで12得点10アシストと大活躍。アキレス腱を痛めたことでフルシーズンの出場は実らなかったが、サポーターにも強いインパクトを与えた。

「ビッグクラブでプレーする」という夢を叶えるべく、08/09シーズンにはレアル・マドリーへ加入。欠けていたハードワークも身に付け、本職ではない両サイドMFやFWでもプレーし、献身的な働きを見せた。だが、翌年に開幕前に戦力外通告が告げられるという屈辱を味わい、慌ただしいプレシーズンを過ごし、一時は「退団が確定的」とも報道されたが、マヌエル・ペジェグリーニ監督の構想になんとか食い込むと、主にカカのバックアッパーを務め、リーグ戦26試合に出場した。

だが、メズト・エジル、アンヘル・ディ・マリア、ペドロ・レオンなどが入団してきたこともあり、戦力外となると、10/11シーズンにトッテナムに移籍。「都落ち」ともレッテルを貼ったメディアもあったが、ジャーメイン・デフォーが負傷で離脱したシーズン前半戦などはセカンドトップとして2トップの一角を担い、2桁得点を記録。4-2-3-1へのフォーメーション変更後はトップ下でプレーした。

オランダ人の父とスペイン人の母の下に生まれ、奥さんは元テレビタレント。