カリム・ベンゼマ
Karim Benzéma

アルジェリア系の血を引く、リヨン下部組織出身のフランス代表ストライカー。

ユース時代から怪物との評価が高く、アンダーの代表では黄金世代といわれたベナルファ、ナスリ、メネズなどとともに中心選手として活躍。だが、2004年にファーストチームに昇格し、ジェラール・ウリエ監督の下で徐々に出場機会を獲得していったが、途中出場、さらに左ウイングを勤めることが多く、期待の若手以上にはなり得なかった。

ただ、07/08シーズンにマルダが移籍、さらにフレッジがチームの了承を得ずにコパ・アメリカに出場、しかも怪我をして帰ってきたことで得たチャンスを活かしてレギュラーを奪取。するとたちまち才能が爆発し、常にゴールを狙う姿勢に加えて、競り合いにも強くボール扱いも巧み、シュートは冷静で正確、フリーキックを直接叩き込むパワーもありと、強烈な得点力を発揮した。フレッジの復帰後はウイングを務めることも多く、自ら「※ウイングは嫌だ」と公言し、アラン・ペラン政権下の終盤では交代させられた後すぐにドレッシングルームに引っ込むことが度々若さを露呈したが、評価は上昇し続けた。

その後、引く手数多の中、09/10シーズンにレアル・マドリーへと移籍。一層の飛躍が期待されたが、加入と同時にレギュラー奪取とは行かず、ドメネクとの関係もあってか2010年W杯のメンバー入りにも失敗。さらには恥骨炎に悩まされるなど苦難の日々を過ごしたが、ジョゼ・モウリーニョが発破をかけ続け、ベンゼマ自身もこれまで自分に足りていななかった気持ちを前面に出したプレーやゴール前での冷静さの重要性に気付いたことで、11/12シーズンに再成長。ゴンサーロ・イグアインからレギュラーを奪うだけではなく、ゴールも量産した。

ちなみに実弟もリヨンの下部組織に所属しており、「兄よりすごい」との談も。

※若き頃は「ウィングでは活きない」とサイドで起用されることを嫌がっていたが、レアル・マドリーでは「どのポジションで起用されても構わない。センターフォワードで使われても、自分の場合は、いろんなエリアに顔を出して、ボールを触りながらリズムを作るタイプだからね。サイドがスタート地点になってもボールを触れれば問題ない」と考え方が変わったことを語っている。