小野 伸二
Shinji Ono

18歳で1998年W杯メンバーに選ばれ、高校時代から海外のビッグクラブに狙われたアイデアと閃きは彼にしか持つことの出来ない宝物である。

繊細な両足で扱われたボールは、まさに彼の足に吸い付くような素振りを見せ、味方へと届けられる際にはこの上なく上質なパスに変身する。だが、近年はそれをサッカーファンに披露する機会も非常に限られている。なんの悪戯かはわからないが、シドニー五輪予選のフィリピン戦で怪我をして以降大小様々な怪我が度々彼の足を蝕むからだ。

フェイエノールト時代はUEFAカップ優勝を経験、2010年にインテルでUEFAチャンピオンズリーグを制し、南アフリカW杯でオランダ代表を準優勝に導いたウェズレイ・スナイデルは過去に対戦した選手のなかで最も手こずった相手に小野の名前を挙げた。「彼と対戦するのはいつだって凄く大変だった。ボールコントロールがとても巧く、誰が奪いに行ったってボールを取られない。本当に巧くて皆彼を止められなかったんだ」と語った。