マッツ・フメルス
Mats Julian Hummels

バイエルンユースが輩出した、欧州最高クラスの近代型センターバック。

アジリティーには欠けるが、クレバーさが感じられる確かなカバーリングと落ち着いた守備には定評があり、インターセプトの狙いも鋭い。対人戦にも滅法強く、ドルトムントでセンターバック・ユニットを組んだスボティッチも「ブンデスリーガ最高のマンマーカー」と称賛を送ったこともあるように、相手に自由を与えない守備をさせたピカイチ。その上、常に冷静沈着なプレー選択を行うことから、ライバルクラブのプレーヤーとしてその活躍を目の当たりをした内田篤人もその貫禄と落ち着きに刺激を受け、「前々からカッコイイなって思ってた(笑)」と答えたことがある。

また、味方選手への“メッセージを付けたパス”や相手選手が嫌がる所にボールを供給できるフィード能力を有しており、ユルゲン・クロップ率いるドルトムントにおいては貴重な攻撃の起点となっている。

ディフェンダーとは思えぬそのビルドアップ能力とパスセンスから、「皇帝」フランツ・ベッケンバウアーと比較されることも少なくない。PKも得意としており、助走の長さが特徴。

バイエルンではなかなか評価されず、トップチームでの出場機会は1試合に終わってしまったが、08/09シーズンにレンタルで加入したドルトムントで覚醒。守備的MF（フォアリベロ）としても活躍し、その後、完全移籍で再加入。10/11シーズンにはドルトムントの躍進を支えた陰のMVPとしてその名声を一気に高めた。

代表レベルでは2009年にドイツU-21代表として2009年のU-21EUROの優勝に貢献。その後は、2010年5月にはA代表へステップアップを果たしており、W杯出場はならなかったが、EURO2012へのメンバー入りが期待されている。

また、日本では「フンメルス」という表記がよく見られるが、現地語に近い形で表すと「フメルス」のほうが近く、さらに補足すると語尾発音の特性上、「フメルツ」と呼ぶほうがドイツ語の音に近い。

父親のヘルマンはマッツがバイエルンユースに所属していた頃のコーチである。母親のUlla Holthoffは有名なスポーツジャーナリストで、ドイツのテレビ番組でフットボールについて解説した初の女性だという。弟のヨナスもプロサッカー選手。

愛称は“ホーミー”。英語も不自由なく話せる。