メスト・エジル
Mesut Özil

質実剛健的なサッカーから変貌を遂げつつある、“新世代ドイツ“の象徴。

ジョゼ・モウリーニョをして「たった一つのプレーだけで決定機を作り出せる」と言わしめた、想像力溢れるプレーが真骨頂で、高いキープ力で攻撃の起点となり、そこから鋭いグラウンダーのスルーパスや浮球パスを味方に供給するだけではなく、スピードに乗った柔らかいドリブルでの崩しも得意としている。ただ、その半面、シーズンを通しての安定感やスタミナについては改善の余地があり、これが原因となり、11/12シーズンのレアル・マドリーでは評価を下げた。

ユース時代から、これまでのドイツ代表にはあまりいなかった、「パサーとドリブラーが融合した近代的攻撃的MF」として注目を集め、2006年にシャルケのトップチームに昇格するとその名は一躍全国区に。2008年には400万ユーロでブレーメンへ移籍。このクラブで一時代を築き上げたジエゴに取って代わる存在としてチームのアイドルとなると、課題であった得点力も向上し、09/10シーズンには31試合で9得点17アシストというMVP級の記録を残し、名実共にブレーメンの主役となった。

そのシーズン後に行われたW杯では、ドイツ代表のメインアタックを引っ張るトップ下として躍動。チームの3位進出の原動力となった。シーズンオフにはレアル・マドリーから熱烈なラブコールを受けて、“白い巨人”に仲間入り。ブレーメンサポーターから残留を強く望まれていたが、この移籍については「人生に一度しかないチャンスであり、絶対に逃せなかった」と振り返っている。

ちなみに、名前を見てもわかるようにルーツをトルコに持ち、彼自身はトルコ移民の3世にあたる。